買ってきたお花を
そのまま花瓶にドボン!
ではなく、
たった一つのことをするだけで
ずいぶんと見映が良くなります。
それは、花や葉を手で優しく広げて
形を整えてから、
花瓶に入れることです。
包装や輪ゴムから花を開放してあげる
買ってきた花はたいてい、
ビニールや紙に包まれ
茎は輪ゴムで止められています。
かさばらない為や
持ち運び中に花が踊って
折れたり傷ついたりしないように、
小さくぎゅっと
まとめてあるでしょう。
花が潰れていたり、
葉がたたまってシワになっていたりするので
手で優しく広げましょう。
花は花びらを一枚ずつ広げると
ひとまわり大きくなることもあります。
花を元の状態にする
いけばなでは、この作業のことを
矯める(ためる)と言います。
まっすぐなものを曲げて形を整える
という意味がありまして、
主に枝ものの形を整える時に使いますが、
元の状態に戻すというニュアンスでも
使っているような気がします。
花材が自然に咲いていたり
茂っていたりする状態に戻す。
より自然な状態に戻す、
ということです。
広い意味で、花びらを広げたり、
折りたたまった葉を伸ばしたりするのも
矯める作業のひとつと考えて
良いと思います。
いけばなの心得がなくても、
この1点を気をつけるだけで、
安い花材でも、
見映がよくなりますよ。
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優しくしてもらったり、
気にしてもらったりして嬉しいのは
人間だけではないでしょう。
どうぞお試しください。
写真のカーネーションと葉牡丹を使った
いけばなはコチラ↓
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。