【図録】私が展覧会図録を買う時の3つの理由

買わなくなって久しい、展覧会図録。

Facebookでコメントいただいたことや、美術館の臨時休館で行けなくなり、活用法を思いついたので、まとめてみることにしました。

展覧会の図録とは

「図録」とは絵や図を主とした書物という意味です。

展覧会の図録というと、展示してある作品と、その説明が書かれているもの。

展覧会自体を紙面に置き直して、記録した書物です。

展示室でもキャプションとして見ることができる、主催者や関係者の挨拶文からはじまり、

展示室通りではありませんが、作品の紹介が続きます。

図録独自の読み物として、企画に関わった学芸員や研究者の方の論文や、見解などが巻頭と巻末に掲載されている、というのが一般的な図録の構成かと思います。

とりあえず買っておこうか、と思うには値が張ると私も思いますが、著作料が発生しないため、通常の美術書よりも安価に購入することができて、その割には内容が非常に充実している、という見方もあります。

以下、2つの記事を参考にしました。

展覧会の図録は書籍ではない。
(2013/5/6日付の清須市はるひ美術館の館長ブログより)

美術展ではなるべく図録を買うことにした
(2019/8/15日付のコミュニケーション・ディレクター、さとなお(佐藤尚之)さんのnote記事より)

私が図録を買わない理由

図録に関しては、かなり頻繁に購入していた時期がありましたが、手元に残しておきたいものを選び、それ以外はまとめて処分をしました。

今は基本的に買わないことにしています。

理由は3つ

・活用できていない
・ただの「出費」になっている
・場所をとる

前章に書いたように、図録は非常に読み応えのある書物です。

ひどい時には、展覧会を見た日の帰りの電車の中で開いて読む(というかパラパラ見る)だけで、あとは処分する日まで一度も開かなかったなんて図録もあったはずです。

買ったことに満足してしまったのか、「とりあえず」買ったからなのか、活用できていませんでしたね。

値段についても1冊¥2000円台〜¥3,000円台が主流ですから、

月に10展見に行き、都度購入していたら¥20,000〜¥30,000の出費です。

はい、ただの「出費」です。

活用できていなければ「浪費」にすらなりかねません。

金銭的なことを外しても、図録を粗末に扱っていることにもなりますね。

そして、書物全般は往々にして同じだとおもいますが、

図録も増えると、部屋の場所をものすごーく、侵略してきます。

サイズが揃っていればまだしも、

変形版も多く、A版・B版もごちゃまぜ。

それが書物としての個性となり、デザイン性が高ければ、見ていて楽しいところでもあるのですが、

部屋のスペースが限られている以上、保管できる限度はあるものです。

私が図録を買う時の理由

・展覧会の構成やコンセプト、内容が気に入った時。
・単純に作品が好きで、興味があるもの。
・図録に印刷された写真や絵画が、展示室で見たものと遜色がない時。

基本的に買わないと決めた時に、やっぱり欲しくなる時だってある。

では買うときは、どうゆう基準にしようかと考えたもの。

その時は深く考えていませんでしたが、浪費や無駄にモノが増えるのを防げますし、図録を粗末に扱わないという点でも、考えて良かったと思っています。

もし、その時に図録を買わなくて、後になって欲しくなったとしても、

相当人気の展覧会でない限りは、バックナンバーとして在庫があります。

美術館のミュージアムショップや、美術館直営、もしくは外部のオンラインショップで、バックナンバーを購入することができるのです。

確実ではありませんが、美術書を専門に扱う古本屋さんにもありそうですよね。

ちなみに、今回のアイキャッチ写真、一番下の「安藤忠雄展」の図録について。

展覧会図録

こちらを購入した理由は、

「展覧会の構成やコンセプト、内容が気に入った」からです。

展覧会の各セクションでの説明のキャプションが、丸ごとそのまま載っており、

展示室で見た臨場感が味わえることや、安藤さんの建築哲学や仕事に対する姿勢が分かりやすく、コンパクトにまとめてあり、繰り返し読みたいと思ったのです。

図録の活用法を考えてみよう

・見に行きたかったけれど、今回の臨時休館で中止になってしまった展覧会の図録を買う。
・過去に購入した図録を見て、美術館が再開するまでのつなぎとする。

どちらも最近身近な方が、ブログやFacebookに書いていて、私自身がアイディアをいただいたものです。

図録で楽しむ美術館の思い出
ファイナンシャルセラピスト mitchyさんのブログからです。

中止になった展覧会の図録購入については、美術館の支援にも繋がります。

入館料だけでなく、図録も含めた展覧会グッズの販売も、収入の一部になっていることもあるためです。

鑑賞者サイドとしては、見られなかった展覧会は図録を見たり、読んだりして、想像することになります。

展示室から離れた場所で見るからこそ、作品鑑賞がじっくりできることもあるのです。

もし、行ったことのある美術館で開催予定だった展覧会なら、空間のイメージも一緒にできますね。

展覧会自体を一つの作品として捉えることができる、「鑑賞法」の一つになるかもしれません。

過去に購入した図録を見返すのも、いいですね。

まだ行きたい美術館が、臨時休館開けしていない場合など、

行ったことのある展覧会を思い出しながら、図録を見る・読む、記憶を呼び起こすのは、興味深い作業でしょう。

ひょっとするとその時見た感覚と、今とでは、変化していることもあるかもしれません。

各美術館で、オンラインコンテンツの対応が急速に広まっていますが、

どうもWebでの作品鑑賞は入ってこない、

という方は、

図録という紙媒体での鑑賞を、してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書くにあたり調べているうちに、欲しい図録を見つけてしまい、下書きしている間に購入してしまいました!

オラファー・エリアソン 時に川は橋となる(東京都現代美術館)
和食(国立科学博物館)

の2冊です。

残念ながら「和食」展は、中止になってしまいましたが、「オラファー・エリアソン」展は、6/14までが会期なので、ひょっとすると見られるかもしれない、というか、是非とも行きたい。

これは私も初めての試みですが、

展覧会に行く前に、図録をすみずみまで読んで予習し、展覧会をイメージしてから行ったらどうなるのかな?

という実験でもあります。

結果は、展覧会に行くことができれば、またご報告しますね。

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