東山魁夷「年暮る」年末に見たくなる絵画 雪が降る京都の街並みが青く美しい

年末になると見たくなる絵画があります。

それは、
東山魁夷作「年暮る」です。

川端康成から、

「今、京都を描いておかないと、
この景色はなくなってしまう」

というようなことを言われて
描きあげた作品だと聞いたことが
あります。

東山魁夷「年暮る」1968年 山種美術館

作品が描かれたのは1968年。

今から55年前のことですが、
当時の京都における開発に対して

川端が思うところの
古き良き京都がなくなることを危惧して
東山に託した思いとも受け取れます。

「年暮る」というタイトルからも
連想できるように、

大晦日の夜、除夜の鐘の音が街に響くなか
雪がしんしんと降っている。

そんな行く年来る年をつなぐ
時間帯の静けさを描いた作品だと
私は思っています。

雪が降っているので
空は厚い雲が立ち込めている
はずですが、

月明かりに照らされて
いるかのように

雪の白さで、街が青白く
浮かびあがるように見えるのも
美しいですね。

近年は温暖化の影響もあり
この絵画のように、

年末に京都市内で
雪が積もるレベルまで降る機会も
少ないことでしょう。

川端が気候変動のことまで
予測していたかは不明ですが、

開発で街並みが変わるだけでなく、

雪が降る京都の街並みも
年末には滅多に見られなくなった
ということからも、

55年前に東山に言った

「今、京都を描いておかないと、
この景色はなくなってしまう」が

とても意味を持つ言葉だと
感じています。

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