週末はハシカツの時間をいただき、富山県美術館で聴講したレクチャー「わからないから始まる美術鑑賞」のシェア会を行いました。
講師はブログ「青い日記帳」主宰のアートブロガー中村剛士さん。
アイスブレイクやワークを入れながらの1時間半でした。
その中で自分でも気づきのあったワークと中村さんなりの鑑賞を深めるための8か条、そして会場となった富山県美術館は私のオリジナルで紹介するという内容に仕立てました。
ワークは一枚の絵について8個、感想や印象、好き嫌いなど感じたことを書き出します。
2分の時間を設けましたが出てきそうで出てこないのです。
4~5個までは出るのですがそこから先は書く手が止まってしまいます。
レクチャー中のワークでも同じ状態で、私も4つしか書けませんでした。
絵を見るのに慣れていても、観察が足りないしことをものがたっているでしょう。
自分でも軽くショックでした。
そこでドキッとした意見が参加者より発言、「展示室の静かな環境に呑まれてしまい、思っているより集中できていないのではないか」という説。
適度にざわざわと人の気配のあるカフェは集中できると感じる方なら分かる感覚かもしれません。
写真と絵画で2回ワークをしましたが、それぞれ面白い視点が出ましたよ。
パンケーキの写真では、カロリーや原価をすぐ考えちゃうという管理栄養士さん。
奥村土牛の「醍醐」では寂しそうな桜に見えると鋭い観察眼を発揮した方も。
この絵は土牛が師である小林古径の七回忌に見た桜がきっかけで描かれた絵ですので、寂しさが出ていることは自然かもしれません。
画家の感情を画面から汲み取る鋭い感覚ですよね。
鑑賞を深めるための8か条については、絵を見るためだけでなく、人と接する時など日常生活にも活かせるとの発言も飛び出し、美術は手段にもなり、美術を通して見る、理解する、ということができるのではないか、と思いました。
モーニングのピザトーストも美味しく、ヨーグルトとゆで卵が選べたりとお得感のあるセットでした。
朝から深く美味しい時間。今年はハシカツの場をお借りして何度かこのような美術にまつわる話をさせて頂く予定です!
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。