長野県信濃美術館 長野県長野市 2021年4月リニューアルオープン予定 建物だけでなく、名称変更も含めたソフト面の変化にも期待がふくらむ

2021年4月にリニューアルオープン予定の長野県信濃美術館。

建物というハード面だけでなく、名称変更も協議されていて、ソフト面でのリニューアルにも期待が膨らみます。

もくじ

  • 名称も変わるかも?!
  • 建築家・宮崎浩氏とは
  • リニューアル後はこんな美術館になる

名称も変わるかも?!

長野県長野市、善光寺に隣接した公園に建つ、長野県信濃美術館

1966年に開館で54年が経ち、建物の老朽化と時代のニーズに応えるべく、大規模な改修工事をしています。

実は、建物というハード面だけでなく、名称も「長野県立美術館」と改める方向で、

そうなればリニューアルというよりは、リボーンと呼ぶにふさわしい変化ですね。

私は、名称が変更になることも大歓迎です。

「信濃」という地名にここだわり、現在の名称が付けられたと思いますが、

「長野県立美術館」にしたほうが、外向けて開いている感覚を持つからです。

実は、長野県信濃美術館だと、県立なのか市立なのか私立なのか、よく分からなかったのです。

後に調べて長野県が運営してるのだと分かりましたが、

誰が運営している美術館なのか、明らかにすることは大事です。

特に自治体が税金を使って運営しているならば余計にそう。

別館の東山魁夷館にしても、横浜出身で長野県に一度も住んだことのない東山魁夷の美術館が、なぜここにあるのか。

スケッチ旅行で足繁く通い、並々ならぬ好感を「信濃」に抱いていたからこそ、多くの風景画があるのです。

長野県が責任もってこの作品を保管、管理、展示していますよと、県内外にの人たちに分かりやすくアピールできますよね。

この名称変更に関しては、地域住民の間でも賛否両論があることがよく分かる資料を見つけました。

新県立美術館の名称に対するご意見と県担当部局の考え方」という資料です。

私と同じような考え方で賛成の方もいれば、

反対の方は「信濃」という名称に、県民としてのアイデンティティを見出す方もいます。

本当にさまざまな考え方があることが分かり、賛成にしろ反対にしろ、地域の方が新しい美術館に対して積極的に関わる姿が見えてきます。

長野県は国内でも有数の美術館が多い県の一つです。

この絶好の機会に変化を取り入れ、県内の数々の魅力ある美術館とともに、長野県の文化の支えになっていくことを、楽しみにしています。

建築家・宮崎浩氏とは

今回のリニューアルで、設計を担当される宮崎浩氏。

プランツアソシエイツを主宰する建築家で、槇総合計画事務所を経て、独立されたようです。

手掛けた設計は、国内の道の駅や住宅、大使館などさまざま。

私が行ったことのある美術館、長野県安曇野にあります、高橋節郎美術館美術館も設計されていたので、ちょっと親しみが湧いています。

新しい長野県信濃美術館も、こんなテイストが感じられるのでしょうか。

写真は高橋節郎美術館美術館です。

会社や手掛けた建築の詳細はホームページでどうぞ。

ニューアル後はこんな美術館になる

現在工事中の美術館があるのは、善光寺に隣接した公園。

別館である東山魁夷館もたずさえ、本館である今回の美術館ができあがると一大文化エリアになることは間違いなしです。

「ランドスケープミュージアム」をコンセプトに掲げ、善光寺という日本建築とどう向き合うか、周囲の景色にどう溶け込むか、素材に至るまで考えられたとのこと。

チケットがなくても誰でも利用ができる「屋根のある公園」というパブリックスペースも、素敵な考え方ですね。

1980年代後半のバブル期以前に開館した美術館は、老朽化だけでなく、中身のリニューアルも求められる時期かもしれません。

老舗は変化しながら生き残って行くように、リニューアルに際しては、長野県、美術館、地域住民の方々と、関係する方は、変わる部分、変わらない部分を見極めることに直面しているでしょう。

変化の仕方を間違えなければ、基本の部分はきちんと引き継がれていくものだと私は思っています。

ハード面の整備が進むにつれて、美術館内部の館長や学芸の方々から、新しくできるこの入れ物に何をどう入れていくのか、

作品やコンセプト、どんな展覧会がこけら落としにはなされるのかの発表を、楽しみに待ちたいと思います。

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