立て続けに開催される「モダン」な展覧会を考える

2024年、「モダン」と企画店名についた展覧会が
いくつか開催されていることに気が付きました。

「モダン」をどの時代に設定しているか
どこを切り取っているかは
美術館で微妙に異なっていますが

展覧会を紹介すると共に

今なぜ「モダン」な展覧会が
開催されるのかも考えてみました。

「モダン」がつく展覧会の紹介

私が認識している範囲ですが、
会期が終わった展覧会も含めて
6つあります。

展覧会で展示されている作品の
だいたいの年代も書いてみました。

町田市立国際版画美術館
両大戦間のモダニズム:1918-1939 煌めきと戸惑いの時代 
1918ー1939年あたり

山梨県立美術館
山梨モダン 1912~1945
1912ー1945年あたり

平塚市美術館
大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展
1920年代ー1960年代あたり

大阪中之島美術館
TRIO モダンアートコレクション
1910年代ー1980年代あたり

他の展覧会に比べて時代の範囲が
広いですね。

泉屋博古館東京
昭和モダーン モザイクタイルのいろどり
1930年代ー1950年代あたり

東京都庭園美術館
YUMEJI 大正ロマンと新しい世界
1910年代ー1930年代あたり

東京都庭園美術館自体も、
この時代のアールデコ様式を
ふんだんに取り入れた邸宅なので
作品との相性がとても良かったです。

「モダン」とはどの時代を指すのか

「モダン」という言葉自体は
現代的とか当世風という意味ですが、

今回ご紹介した展覧会での「モダン」とは
西暦だと1910年代から1950年代くらいまで

年号で言うと大正時代から
昭和の中期あたりに作られた作品を
扱っているようです。

個人的には、大正時代あたりは
結核で亡くなる画家が多いイメージもありますし、
大戦もあった、大変な時代という印象が強いです。

今なぜ「モダン」な展覧会が開催されるのか

展覧会の準備には、だいたい4〜5年前かかると
何かで読んだことがあります。

今まであまり研究が深まっていなかったり
まとまっていなかったりしたことが

美術史家などの研究者によって
時をへて形になってきた
タイミングなのかもしれません。

この時代の研究が
あまりされていないことに
気づいた学芸員がいて、
取り上げた可能性もあり。

そんな理由が想像できます。

今回の「モダン」のように
ちょっと時代の切り取り方を変えて

埋もれていた美術作品や作家が
紹介されていく機会、
これからもありそうですね。

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