2019年の展覧会のトレンド!
とまではいかないのですが、ちょっとした傾向をみつけました。
それは、今まで聞いたことがないコレクターや美術館の展覧会がいくつかあること。
先日見た浮世絵のコレクターである、メアリー・エンズワース展。
秋に開催されるイギリス・ロンドンにあるコートールド美術館展、
そしてスペイン・カタルーニャ地域の、歴史に育まれた芸術を紹介するバルセロナ展。
知らないコレクターや美術館、
土地土地での美術の潮流など、
知らないことがまだたくさんあるのだと実感しています。
現在Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「印象派への旅、海運王の夢」展も、私にとってはそんな展覧会のひとつ。
海運業で財を築いた、スコットランドはグラスゴー出身のウィリアム・バレルのコレクション展です。
コレクションをグラスゴー市に寄贈する際の条件の1つは、「英国外へ持ち出さないこと」。
本国の美術館が大規模改修で閉館しているため、今回の展覧会が実現したそうです。
見終わった第一印象は、なんでもアリなまとまりのないコレクションだな、と少々テンション下がり気味。
考えてみれば、バレルさんの全てのコレクションをすべて見ているわけではないのだし、
一部の来日作品だけでのこの判断は、適切でないかもしれません。
スコットランドやオランダの知らない画家の作品や、
スコットランドがフランスの影響を強く受けていること、
海運業に携わる人らしく、海や船をモチーフにした絵画もあり、
これらは見どころでした。
来年、美術館の改修が終わると国外への貸し出しはしばらくなさそうですので、気になる方は行ってみましょう!
6/30日までです。
はじめて耳にする作家やコレクター、美術館の展覧会「こそ」行ってみるのも、見に行く展覧会の選び方の一つですね。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。