塔本シスコ展 熊本市現代美術館 作品がエネルギッシュに見える理由が分かった 2度目の鑑賞

世田谷美術館に続き、塔本シスコさんの故郷
熊本県の熊本市現代美術館にて
2度目の鑑賞となりました。

もくじ

  • 同じ展覧会を何度も見ることの利点
  • シスコさんの絵が、エネルギッシュに見える理由
  • 人生100年時代のお手本

同じ展覧会を何度も見ることの利点

同じ展覧会でも場所を変えて何度か見ることで
感覚や理解度が変わります。

今回は世田谷美術館と比べて
キャプションも含め、展示構成は同じように感じましたが、
作品の展示順序は変わっている部分もありました。

全国4箇所を巡回する予定なので、
今年はこの展覧会を追いかける予定です。

展覧会のお陰で、熊本市現代美術館にも
初訪問することができました。

行ったことのない美術館を
訪問する機会ができるのも利点の一つです。

シスコさんの絵が、エネルギッシュに見える理由

今回はシスコさんの絵が、
はつらつとした生命感あふれる理由を発見。

それは、作品にリズムがあり、
躍動感につながっていること。

花がたくさん描かれていて、
その花を構成する花びらや葉、
紫陽花の茎に書かれた点々模様などの細部、

そういったものが、大きさを変え、
濃淡を変え、数を変えして画面全体に
リズムが生まれているのです。

うねりと言ってもいいでしょうか。

実際、展示室で撮影した作品で
見てみましょう。

塔本シスコ展
秋の庭(1993年)

塔本シスコ展

細部に注目。

観葉植物の葉らしきものが、
たくさん描かれていますね。

根元までぎっしり、葉っぱだらけ!

葉の色も複数の緑色が使われていて
葉先は様々な方向を向いています。

塔本シスコ展
アジサイの中で遊びなさい(1997年)

アジサイの枝に描かれた点々模様や、
枝がくねくね曲がりながら
画面全体にはびこっているような様子に
いきいきとした生命を感じます。

そして、鳥の配置や各々の向きには
躍動を感じます。

塔本シスコ展
山田池のもみじがり(2000年)

これでもかー!と描かれたもみじの葉。

よほどシスコさんの目にも印象深かったのでしょう。

もはやヒトデのような迫力と
量に圧倒される勢いです。

塔本シスコ展
淡路島 石を取るシスコ(1988年)

小石を貼り付けていると思われる
遊びゴコロのある一枚。

大量の小石と、斜めに切り込む構図が
大胆です。

人生100年時代のお手本

シスコさんの生い立ちについて
追加で知ったことの一つが、
小学校4年生までしか学校に行けなかったこと。

家計を助ける為に働き詰めだったようです。

そして結婚、出産、子育てと続けば、
絵を描けるようになったのが50歳
過ぎてからというのも頷けます。

それでもシスコさんは91歳で亡くなるまでの
約40年間も絵を描きました。

やりたいことを始めるのに遅すぎることはない、
とはこういうこと。

何歳からでも、自分の情熱が傾くところに
集中して生きていくことを、教えて貰いました。

塔本シスコ展

塔本シスコ展は熊本市現代美術館にて
2022.4.10まで開催です。

世田谷美術館の塔本シスコ展の記事も、どうぞ。

塔本シスコ展 世田谷美術館 自身の中にいた「画家」が目覚める

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