富山駅から歩くこと20分ほど。
和漢薬種問屋の池田屋安兵衛商店があります。
店内の棚に並んでいる頓服薬のパッケージデザインがバラエティに富んでいて、薬なのですがジャケ買いしたくなるラインナップです。
もくじ
- バラエティに富むパッケージデザイン
- 頭痛薬「ピタリンA」のパッケージに大共感
- 池田屋安兵衛商店とは
バラエティに富むパッケージデザイン
見てください!この棚に並んだ数々の薬。
見たことのある「ケロリン」から、獅子舞デザインの「かぜピラα」など見たことのないものまで、
そうそうたるラインナップ。
店内に入るとまず足が向いてしまう華やかな棚です。
眺めていると、目を引く理由がいくつか思いつきました。
・原色使いが多い
・パッケージはハガキ大サイズ
・なぜこの名前?なぜこの絵なの?と疑問が湧く
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+ 原色使いが多い
全体的に赤が多い印象ですね。
中間色であっても、パッケージに占める割合を高くしたり、一色摺りにしたりして、商品として目につくようなデザインにしているように見えます。
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+ パッケージはハガキ大サイズ
パッケージはハガキ大サイズです。
手にとってみると、中身に対して大きめの袋だなと感じます。
この大きさもデザインを目立つようにしている一因でしょう。
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+ なぜこの名前?なぜこの絵なの?と疑問が湧く
個人的には、ここが一番目を惹いたところです。
薬のネーミングセンスと言いますか、
名前とデザインの繋がりが意味不明で、それがかえって面白さになり、見てしまいます。
例えば、かぜピラα(アルファ)という風邪薬がありますが、獅子舞と赤・黄色のだるまのパッケージがあり、どちらも「なぜこの絵なの?」と疑問が湧きまくり。
見ていて飽きない棚ですね。
頭痛薬「ピタリンA」のパッケージに大共感
偏頭痛もちの私が、共感したのが「ピタリンA」のパッケージ。
このパッケージデザインした人も、きっと頭痛もちに違いないと確信したのは、能面の顔。
頭痛の時って、もうホント、痛くて不快で無表情になってしまいます。
その様子が能面に凝縮されているようで共感したのです。
名前の「ピタリンA」からも切実な思いが伺えます。
あの痛さや不快感が、「ピタッ」と無くなったらどんなに素晴らしいことか。
ちなみにこの能面は「小面」(こおもて)と呼ばれる若い女性を表す面と思われ、
角度により微妙な表情のある、本来は表情豊かな面です。
この薬で一人でも多くの頭痛を早く直し、
その人本来の表情に戻したい。
という薬を作る方々の思いが詰まったネーミング&パッケージデザインだと私は思うのですが、
頭痛持ちの方なら分かって下さると思います。
池田屋安兵衛商店とは
富山県富山市にあります、昭和11年創業の、和漢薬種問屋。
薬都・富山を代表する江戸時代にさかのぼる胃腸薬「反魂丹」(はんごんたん)の製造販売をはじめ、
和漢薬の調剤などを手掛けています。
2階には漢方の考えにならったランチが食べられるレストランがあり、
1階店舗内で丸薬の製造体験などができます。
私が伺った2019年2月には、観光バスでツアーの方々がつぎつぎと見学にきており、賑わっていましたよ。
富山県富山市堤町通り1−3−5
電話:076-425-1871
営業時間:9:00〜18:00
アクセス詳細はこちら
レストランでのランチも含めた、富山旅はこちらの記事からもどうぞ。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。