山種美術館で12/22(日)まで開催の「東山魁夷の青 奧田元宋の赤 —色で読み解く日本画—」/画家にとっての色とは単なる色ではないらしい。

師走に入り、楽しくも気ぜわしい季節になってきますが、

日本画が作り出す清々しい展示空間で、

しばし、静かな時間を過ごすのも良いものです。

もくじ

  • 展覧会の構成
  • 私の感想
  • 画家にとっての色
  • 今回のCafe椿
  • 今後の巡回予定・美術館情報

色を切り口に分類した、美しい日本画を展示している企画展。

「え?これも日本画?」というような、現代的な作品もあります。

こじんまりと地下に作られた展示室。

広くないがゆえに、作品と私たち鑑賞者の距離は近く、

色の鮮やかさや暗さ、濃さや薄さなど、色の表情もしっかり見られます。

展覧会の構成

展覧会は、下記8つの色で分類されいます。

山種美術館_展覧会チラシ

私の感想

印象に残ったのは、黒・白・銀・金のあたり。

まず、色に黒と白を入れてくるところに日本画らしさを感じます。

黒に代表されるのは墨。

「墨に五彩あり」という言葉があるように、墨の濃淡、ぼかしやグラデーションなどの技法で青や赤などと同じように豊かな表情を作ることができるのです。

そして白は余白でしょうか。

日本画では余白が大事な役割をもっていますよね。

湿度や温度、目に見えないけれど、そこに有る雰囲気や感情までをも内包しているように感じます。

銀・金に関しては、加山又造の言葉に驚きました。

「柔らかな静けさを出すために金銀を使う。それが騒ぎ出したらだめだ」。

金銀は私にとって、きらびやかな華のある色なので、「柔らかな静けさ」という表現がどうもピントきません。

この方の作品を見ても華やかに見えてしまいます。

どこかで加山又造の作品を見るときに、また思い出してみたい言葉です。

画家にとっての色

画家にはそれぞれ、持って生まれた色があり、それを見つけるのが難しい。

展示されている作家の何名かが同じ様な言葉を残しています。

画家にとって色とは、単なる色にとどまらないようです。

画家の色とは、自分の色を見つけたら、その色とともに画業を行くという覚悟のようにも思われます。

今回のCafé椿

山種美術館にはロビーの横に、Café椿という小さなカフェがあります。

収蔵品の速水御舟「名樹散椿」に因んだ名前のカフェ。

企画展に出される絵画にちなんだ和菓子が用意されていて、鑑賞後の楽しみの一つです。

今回は小林古径の絵画を元に作られた「里の秋」というお菓子を紅茶でいただきました。

中にはさらし餡のようなさっぱりとした餡が入っていて、紅茶との相性がとても良かったです。

山種美術館_Cafe椿

今後の巡回予定

こちらの美術館の企画展は、巡回しませんので、ぜひ山種美術館に足を運んで下さいね。

【美術館情報】

山種美術館
東京都渋谷区広尾3−12−36
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(年末年始等、変則的な場合もあります)
その他詳細は美術館ホームページへどうぞ。

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