アート&ドライブ福島県/初訪問の美術館が2つ。いつだって、初めて行く美術館はワクワクする。

郊外や地方への美術館巡りは車で行きます。

山の中や街から外れたところにある美術館も多いので、その方が便利なのです。

そんな旅のことを名付けて「アート&ドライブ」。

今回は福島県の南部、郡山と須賀川にある
郡山市立美術館とCCGA現代グラフィックアートセンターを訪ねました。

もくじ
・リアルに美術館へ行く楽しみ
・初訪問!2館の美術館
・「まだ出来ていないこと」が多いのは楽しいこと

リアルに美術館へ行く楽しみ

いつだって、初めて行く美術館はワクワクする。

たいていの美術館はホームページを持っているので、事前に分かる情報も多い。

どんなコンセプトで作品を集めていて、どんな作品があるのか。

施設案内などで展示室の図があれば、どの位の規模かも見当がつくし、併設のカフェやレストランもメニューまで載っている場合もある。

載っているなら何があるのか、食事で使えるのか、お茶だけなのか、そういった使い勝手(あくまでも私好みか否かですが)の見当もつく。

しかしあくまでも文字の情報から、私が想像した域は出ないのです。

初訪問!2館の美術館

今回は初訪問の美術館2館に行ってきました。

郡山市立美術館(福島県郡山市)

郡山市立美術館

1992年11月に開館の市立美術館。

事前にホームページ(以下HPと略)で写真を見ていて、「なんだか学校の体育館みたいな建物だな」と個人的には感動が薄かった外観。

実際現地で見ても、「やっぱり体育館だよな」と良くも悪くもHPで見たままの姿。

それよりも私の目を惹いたのは、敷地に入ってから、美術館までのアプローチの「近寄りがたい雰囲気」です。

ハワイのキラウェア火山の周辺や、軽井沢の鬼押出しのような感じの石がゴツゴツとした自然の厳しさを感じるアプローチ。

実際歩くところは階段だったり、平らな道だったりして足場は整備されていますが、それらが目に入るまで少し時間がかかりました。

ですから、駐車場から階段を降りて行くと目に入る、石だらけの景色は美術館にしては珍しい、人を寄せ付けないような雰囲気を受けたのです。

juju130 cafe_郡山市立美術館

到着が昼近くでしたので、まずは腹ごしらえ。

事前に調べていて、口コミも良かった併設のカフェ、「juju130 café」でランチ。

日替わりのランチが2種類あるなかで、フライのメニューを選びました。

エビカツと肉厚のアジフライが美味しい!

醤油やソースではなく、添えられたトマトソースで頂くところに、カフェらしさを感じます。

ご飯の量もしっかりあり、箸休めのピクルスもついて、お腹の収まりもよいランチプレートです。

カフェは美術館を眺めることができる素晴らしいロケーション。

どちらかと言うとスイーツを始め、喫茶メニューが充実しているので、次回はスイーツ系も食べてみたいですね。

juju130 cafe_郡山市立美術館

美術館本体は中に入ると白木が使われた明るい雰囲気で、横に長い作りです。

天井も高く、外光も入り、明るく、開放感あふれる館内。

外観の「体育館」風な見栄えからは想像できない、心地よい空間です。

人と同じで初対面なのに、見かけで判断してはいけませんね(笑)。

今回は企画展の準備中期間でしたので、常設展を観覧。

企画展を見てしまうと、どうしても集中力や時間的な関係で常設展の鑑賞がおろそかになりがちなので、今回は常設展のみ、じっくり見られたことも良かったです。

気づいたことは、収集している作品のジャンルが広く、散漫な感じに見えたこと。

工芸品や本、日本画、洋画、彫刻と私の目には「散漫」に映ったのです。

ただ、裏を返せば、首都圏のように美術館が林立しているわけではないので、一つ一つの美術館、特に公立美術館のように税金を運営に使う施設では、担う役割が大きいのかもしれないと想像できます。

あまり偏った収蔵品ではなく、ある程度ジャンルも幅をもたせてバラエティに富んだ収蔵品を持つことが、何度も足を運ぶ地域の来館者に貢献できるだろうからです。

バラエティという面では、企画展でカバーできる部分も大きいですが、

平日で常設展しかしていない日にも、それなりに来館者がいたり、小学3,4年生くらいの生徒たちが校外学習で来館しているところを見ると、収蔵品で魅力ある展示ができるのは大事なことですね。

CCGA現代グラフィックアートセンター(福島県須賀川市)

CCGA現代グラフィックアートセンター

1995年4月開館の私立美術館。

大日本印刷㈱が設立したDNP文化振興財団によって運営されています。

こちらは今回行く予定がなかった美術館だったのですが、台風が近づいているとのことで、天気が荒れる前に早目に帰ろうと、予定していた美術館を変更して、こちらに鞍替え。

ゴルフ場に隣接した山の中にある美術館で、自然豊かな環境で作品を保管するというのもこの立地を選んだ一つの理由だそう。

確かイギリスのバレルコレクションもそこに拘っていたと記憶しています。

地震をはじめ自然災害から作品を守るという点でも、各地に分散させるというのは一つの策ですね。

東京・銀座と京都にも支店のように同じような施設がありますので、機会を作って行ってみようと思います。

こちらは、アメリカ人のプリンター、ケネス・タイラーの版画工房で刷られた作品のアーカイブ施設という側面も持つため、アメリカで活躍した作家の作品が多いのも特徴です。

各種技法の版画やポスターが収蔵される、さっぱりと清潔感のある展示室で、心地よく見ていられます。

展示室は1つだけ。

映像ルームや図書コーナーもあり、小ぶりな造りですが、思っていたよりも見ごたえのある施設です。

CCGA現代グラフィックアートセンター

前者の郡山市立美術館に比べると、版画に特化した、尖ったコンセプトをもつ美術館。

母体は印刷会社ですので、この点は納得です。

本業の流れにうまく美術館経営をのせているスタイルですね。

私立美術館は公立美術館に比べると、何かに特化しているエッジの効いた美術館が多いもの。

今回のアート&ドライブではそれを再認識できた旅となりました。

「まだ出来ていないこと」が多いのは楽しいこと

まだ訪ねていない美術館がたくさんあること
読みたくて読めてない本があること
会いたい人
食べたいもの
行きたい場所
やりたいこと

そんな「まだできてないこと」が多くあることは、この先の人生、退屈知らずの証だと非常に楽しい気分になります。

さぁ、次はどの地域の美術館へ行こうか。

実は国内でも、まだ行けていない美術館がたっぷりある。

存在すら知らない美術館もあるかもしれない。

まだできてないことが多くある「不完全」をこれからも楽しんでいこう。

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