3展一気に制覇するもよし、1つ選んでじっくり楽しむもよし。
戸栗美術館(渋谷区松濤)
太田記念美術館(渋谷区神宮前)
石洞美術館(足立区千住)
こちら3つの美術館で開催する展覧会のご紹介しましょう。
台風も来るし、湿度も上がってきたこの時期の、青をテーマにした展覧会。
目で見て涼しさを感じる青。
色はもちろん、素材でも涼しさを感じることができますよ。
例えば陶磁器。
ツルンとした表面、触った時のヒヤっとした冷たさ。
そして浮世絵の中の女性が着ている着物の素材。
ちりめんのようなデコボコしている素材は、汗ばんだ肌に直接つかず、空気の通り道を作るので、涼しさを感じるものです。
特に戸栗美術館と大田記念美術館の展覧会は、連携企画。
お互いの入館券で割引があったり、それぞれ会期中にはギャラリートークなど知識を深めたり、見方を知る講座もありますから、興味があればご利用を。
ではそれぞれの紹介に参りましょう。
◆「青のある暮らし」—江戸を染める伊万里焼—
戸栗美術館(渋谷区松濤)2019/7/2(火)〜9/22(日)
国内と東洋の陶磁器に特化した作品を持つ美術館。
伊万里焼を主にした、非常に狭いジャンルを深く掘り下げたコレクションが魅力です。
特に伊万里焼の中でも将軍家の献上用に作られた鍋島焼は必見です。
【同じ日にココも行ってみよう】
渋谷区立松濤美術館
2019/7/28(日)まで開催の「華めく洋食器」展。
海外の要人をもてなす為にMade in Japanの洋食器を追求し続けた「大倉陶園」の食器の展示です。
大倉陶園らしい、ぼかしの入った青い花の模様、濃紺などの美しい「青」がこちらでも見られます。
【おすすめランチはココ】
オーストラリア料理のアロッサ。
土日の週末でしたら¥2,500のコースがおすすめです。
デザートまで付くフルコースで、盛付け・味・量ともに満足。
店員さんもフレンドリーで雰囲気も良いです。
そうそう、店内にはアボリジニアートが展示してあるので、実はこれを見るのも私は楽しみです。
◆「青のある暮らし」—着物・器・雑貨
太田記念美術館(渋谷区神宮前) 2019/7/2(火)〜7/28(日)
浮世絵専門の美術館。
原宿という場所柄もあるのか、欧米人と思われる団体さんが来ていることが多いですね。
見落としがちですが、地下にある「かまわぬ」という手ぬぐいのお店も、忘れずに立ち寄って見て下さい。
手ぬぐいだけでなく、服やお財布、扇子など、普段に使える雑貨もあるので楽しいですよ。
【同じ日にココも行ってみよう】
原宿から表参道のあたりはいくつか美術館がありますが、同じ日に行くなら根津美術館がいいでしょう。
国内も含めた東洋の古美術を多く収蔵する美術館です。
浮世絵を見た余韻を壊さずに、かつ仏像や掛け軸、茶道具など違った作品も見られるので、東洋美術の鑑賞の世界が広がります。
庭園にあるカフェも雰囲気が良いので是非どうぞ。
◆「涼風のわく」館蔵染付展
石洞美術館(足立区千住) 2019/4/27(土)〜8/4(日)
こちらのポイントは何と言っても世界中の陶磁器が見られること。
少しずついろいろな国の作品、まるで懐石料理みたいな構成。
イラク・エジプトなどの中近東、イギリス・スペインなどのヨーロッパ、そして中国・朝鮮半島・ベトナム・日本などのアジア。
今回だけでも8カ国。
多分忘れてる国もあるような、もっとあった気がします。
螺旋状に上がっていく、変わった作りの展示室も導線がよくて、ストレスフリーな空間です。
【ランチはちょっと歩いて北千住まで】
美術館の最寄り駅は京成線の千住大橋駅。
この界隈はあまりお店がないので、ランチやお茶はちょっと歩いて北千住まで出てみましょう。
徒歩20分くらいで到着。
駅を中心に商店街が広がっていますので、調べるとあなた好みのお店があるかな?
私のおすすめは「デリコッペ」。
無添加全粒粉のコッペパンを使ったお食事パン・甘いパンのあるお店です。
キッシュやお惣菜も少しありますので、ランチ・お茶とどちらも使える便利なお店。
具があふれるほど挟まっているのも嬉しいのです。
〜*〜*〜*〜*〜
美術館は作品保護の点から、空調が効いているところが多いので、行くだけで涼しさ満喫。
暑い日や雨の日のお出かけ先にもうってつけです。
さらに美術鑑賞で感性を刺激されたり、豊かさを得ることができたら素晴らしいですね。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。