美術館巡りをするついでに、
「郷土資料館」のような施設に
立ち寄ることがあります。
展示物は日常生活で使用されていた
道具類等が多く、
建物の内外も、レトロというよりは
古くさい印象を受ける
全体的に地味な感じ。
でも、地味だけれど退屈ではない
「やっぱり来て見てよかったな」と
思うことも多々あります。
今回は、2023年10月に行きました
秋田県由利本荘市にある
本荘郷土資料館を例に取り上げました。
本荘郷土資料館の魅力
今回の訪問では2つ、
興味深く見た展示がありました。
1.ごてんまりの展示
2.企画展「六郷家が残した文化財」展
この時の旅行の元の目的は
由利本荘市で開催される
第54回全国ごてんまりコンクールを見ること。
歴代コンクールの授賞作や
てまりの歴史を知ることができそうなので
郷土資料館に行く予定を入れました。
思っていた以上に
誰がどんな経緯で、てまりを作り始めて
どのように発展していき、今日に至るかが
てまりや材料、作り方と共に展示されていて
理解しやすい展示。
その後に行きました全国ごてんまりコンクールに向けて
事前の知識が得られたのが良かったです。
もう一つの「六郷家が残した文化財」展は、
本荘藩の初代藩主である、六郷政乗(ろくごう・まさのり)が
現在の由利本荘市に入部して
400年の記念で企画された展示でした。
六郷家についてや、おかかえの絵師たちの作品、
生活道具などの展示です。
ここ本荘郷土資料館に来なければ
私が六郷氏という武将について
知ることはなかったでしょう。
歴史の表舞台には出なくとも
日本全国津々浦々の市町村の歴史には
こういった知られざる武将の方々が
関わっていることが想像できます。
郷土資料館を興味深く鑑賞できるようになる3つの視点
1.共通と独自を探してみる
国内の郷土資料館では、農具や生活道具などで
似たりよったりな展示もあります。
似たような生活や文化が
各地にあるのだと認識しつつも
他の地域との違いを
展示物から見いだせるといいですね。
私は全国にてまりがあることを認識しつつ
由利本荘市の「ごてんまり」の独自性を
今回は楽しみました。
2.想像力を働かせ、展示物を使っていた人々の
暮らしを思いうかべる
これに関しては、手軽なところで
「気候」を引き合いに出すと
分かりやすいかと思います。
寒い地域では防寒、
暑い地域では避暑を目的として
生活道具や衣類が作られていますし、
気候による生活サイクルの違いから
人々の暮らしを想像しやすくなると
思います。
3.展示物の写真を撮る
撮影が許可されている施設では
自分が興味を持ったものを
写真に撮っておきましょう。
その際に、展示物だけでなく
キャプションも撮っておくのをオススメします。
これは美術館の作品説明や
章立ての説明のキャプションで
気づいたことですが、
書籍を読むよりも、サクッとまとめてあるので
お手軽に把握できる優れた読み物です。
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旅行先だけでなく、
ご自身のお住まいの地域の郷土資料館でも
地元の新しい発見がありそうですね。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。