「谷川俊太郎 絵本★百貨店」
という展覧会を、
以前美術館でみてこの本を知り
今一度読んでみました。
読むといっても、ほぼ文字がなく
「もこもこ」「しーん」「にょき」
など、絵も抽象的で
言葉も擬音語や擬態語が
ポツリポツリと紙面に並ぶ本。
展覧会では谷川さんが朗読していて
絵はアニメーションの映像作品と
なっていましたが、
今回本を何度か読んでいて
私は俄然、映像よりも本のほうが
楽しく感じました。
目で言葉を追うだけではなく
声に出して、
いろいろと調子を変えて読むのが面白い。
人が読んでいるのを聞くのではなく
自分で読むことで
言葉が持つ音の柔らかさや
絵との一体感が得られるような感覚を持ちました。
絵を描いているのは
前衛美術家・元永定正さん(1922‐2011)。
具体美術協会に参加され、
中心メンバーとして活動されていた
印象が強いのですが、
絵本の創作も多く手がけていることを
知りました。
この本を手に取るきっかけとなった
展覧会「谷川俊太郎 絵本★百貨店」を、を見たのは
東京都立川市にあるPLAY!MUSEUM。
展覧会は2025年まで全国を巡回するようですので
タイミングが合いましたら、ぜひ、行ってみて下さい。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。