例えばそれは王将の天津チャーハンのごとく、自分で作る麻婆茄子豆腐春雨の如く、好きなものを一回で全部食べたいという願望を叶えてくれるメニュー。
また一つそんなメニューに加わるのが
辻堂にある「麺処そばじん」の
「角煮焼めし」。
FBの投稿を見て、炒飯好き、角煮好きの私としては一度賞味しなくてはと美術館もない辻堂に降り立ちました。
まずは、全体を俯瞰後、細部を観察、横からも見てみたりして撮影。
この焼めしを特別なものにしているのは、やはりこの巨大な角煮の存在感。
まずはお箸で崩して、赤身の部分を食べてみよう。甘さはかなり控えめで、醤油味が効いている。醤油だけでないのだろう、濃い目の味わい深い醤油味だ。
続いて、脂の部分。
赤身の時よりも、脂でマイルドになった醤油味。焼めし部分が熱々なので、絡ませると溶けるように米粒に絡まり、濃密な味に。
以上のように、角煮の赤身、脂身、焼めし単体、添えてある紅生姜と、スープを組み合わてそれぞれを味わうと最後まで口も飽きずに食べられる。
思っていたよりも、豚肉の脂感を残してある煮方なので、食後はコーヒーで速攻口をサッパリさせたい衝動にかられるも、食べられて良かったという満足の方が上回りました。
美味しかった。
ごちそう様です。
ちなみにこちらのお店
「麺処」とついているのでお気づきかもしれませんが、ラーメンが主役のお店です。
別にある「鳥人(とりじん)」という焼鳥屋さんが発祥。
よって、鶏がらスープのラーメンが一押しのようです。
次回は正当にラーメンを食す所存。
ところで、最初に「美術館もない辻堂」と書きましたが、食後に街の案内地図を見ていると「藤澤浮世絵館」なる施設を発見。
藤沢、江ノ島と超地元に特化した浮世絵の展示で非常に好感が持てました。
企画展もあり、学芸員もいらして、参考文献になる図書コーナーもあることから、規模は小さいものの、美術館であると認識。
降り立ったところに、思いがけず美術館があるとは嬉しいこと。
私が行くところには必ず美術館がある♪と
勝手な思い込みがますます確信に変わっていく
美術館コンシェルジュ的に、結果オーライな街歩きとなりました。

牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。