やっぱりここの庭園はスゴかった!
しかし、見ているうちにだんだん違和感が出てきたのです。
もくじ
- 何はともあれ、まず庭園。
- 私が思う足立イズム
- 喫茶室 翠(みどり)にて一休み
- 美術館情報
- 併せて行きたい私のオススメ美術館
何はともあれ、まず庭園。
チケットを買って入り口を進むと、さっそく庭園がチラチラと見えてきます。
やはりスゴイ。
この時点で庭園の素晴らしさに、胸が踊ります。
ガラス越しに見たり、窓枠を額に見立てて絵画のように見たりと
鑑賞者が自然に庭園を楽しめるような工夫を感じながら歩きます。
いよいよ外にでて見られる、鑑賞スポットに到着。
快晴の青空のもと、マリモのように丸く仕立てられた木、小さな松、大きな松、
ところどころに見える紅葉した木が、この時期(2020年11月)はアクセントになっています。
敷地外にある山は借景として、庭園と一体化。
噂に違わぬ、素晴らしい庭園です。
私が思う足立イズム
何カ所か外の鑑賞スポットで庭園を見ているうちに、すこし違和感が出てきました。
今思うと、この庭園、完璧すぎてバーチャルのように見えてくるのです。
形もさることながら、木の緑色もやけに鮮やか。
自然のなかにあるのに、不自然に整い過ぎた感じがあります。
澄み切った青空も完璧さを強調していますし、
何より違和感をもった大きな理由は、庭園に入れないことでしょう。
外といっても、距離を置いて俯瞰するような位置から庭を眺めるので、親密さが感じられないのです。
あの庭の中を歩いてみたいな、という思いに駆られます。
そして、美術館に来ているというのに、入り口を通過してから庭園鑑賞ばかりで、肝心な展示室がどこにあるのやら?
というくらい到達するまでに時間がかかること。
これも気になりました。
この美術館、かなり個性的な構成です。
恐ろしく庭園に力を入れていること、
展示室に入れば、日本画のそうそうたる作家の作品が並び、
横山大観は別室を設けるほどの展示で、庭園に匹敵する見応えです。
現館長になられてからは、北大路魯山人の蒐集を充実させ、
2020年4月には「魯山人館」がオープン。
こちらはまだ新しいので、時間を経てどのように
庭園や、既存の展示室と馴染んでいくのかが楽しみです。
足立美術館を作っている数々の個性を私、勝手に「足立イズム」と呼ぶことにしたのですが、
語るには美術館創設者の、足立全康氏を知る必要があると思っています。
ミュージアムショップで見つけたこの本を、まずは読んでみることにしましょう。
喫茶室翠(みどり)にて一休み
一通り展示を見た後は庭園をみながら一休み。館内にあります飲み物メインの喫茶室翠(みどり)に入りました。
こちらの記事よりどうぞ。
美術館情報
島根県安来市古川町320
1970年11月に開館。地元安来市ご出身の実業家・足立全康氏により作られた美術館です。
併せて行きたい私のオススメ美術館
手間暇をかけても行っておきたい美術館という
切り口でピックアップしてみました。
地中美術館(香川県香川郡直島町)
諸橋近代美術館(福島県耶麻郡北塩原村)
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。