初訪問の美術館。
石州瓦の外観が美しく、地元出身の著名なお二人や企画展に、併設のレストランでランチ。
いやぁ、素晴らしい美術館です。
もくじ
- 石州瓦の外観が超インパクトな美術館
- 美術館の立役者 地元出身の著名なお二人
- 永田生慈さんを知る企画展
- ランチは島根和牛入りのハンバーグ
- 美術館情報
- 併せて行きたい私のオススメ美術館
石州瓦の外観が超インパクトな美術館
島根県に初めて来たので、当然、こちらの美術館も初訪問。
とにかく目に入ってくる石州瓦の色合い、日に照らされてテカテカしたツヤ感!
これがググッと、目と心に飛び込んでくるんですよね。
最寄りのJR山陰本線・益田駅から美術館までは、平坦な道のりで徒歩15分ほど。
その間、一般の家でも石州瓦は使われていて、テカテカしたツヤ感が、独特の景色を作り出しているように見えます。
美術館の立役者 地元出身の著名なお二人
美術館のある複合文化施設「グラントワ」。
こちらのセンター長を務めるのが、2020年の文化勲章を受賞された彫刻家の澄川喜一さんです。
館内のこんな看板からも、お祝いムードが暖かく感じられます。
地元出身といえば、ファッションデザイナーの森英恵さんも、澄川さんと同郷の旧六日市町(現吉賀町)のご出身。
図書コーナーで過去の展覧会の図録を見ていたら、森英恵さんに関連する展覧会もいくつか開催されています。
ミュージアムショップの収蔵品のポストカードには、今回は見られなかった森英恵さんのドレスや、ラウル・デュフィのデザイン画などがあり、ファッションやデザイン関連の展覧会も企画されるであろうことが伺えました。
そんな企画展も見てみたい!
と思っていたら、2021年3月に「ファッションインジャパン」という展覧会が開催されるようです。
コロナ禍で開催日程が変更となっていましたが、なんと東京の国立新美術館にも2021年6月に巡回します。
これは楽しみ。
永田生慈さんを知る企画展
今回は北斎展と澄川喜一さんの作品を見てきました。
一番のお目当ては北斎展。
2019年2月に、森アーツセンターギャラリーで見た「新・北斎展」に島根県津和野町出身の北斎研究家、永田生慈さんのコレクションが多数出展されていたのを見て、
作品よりも、永田さんに興味が湧いてきたのです。
その理由は、永田さんが北斎研究家になったきっかけ。
小学3年生の時に、近所の古本屋で見た北斎の本に感動して、生涯を北斎研究に捧げたというのですから、
その感動から生まれた情熱が、生涯継続したということに、興味を持ったのです。
作品の展示が主とはいえ、さすがはお膝元。
解説によれば、北斎の本を売っていた古本屋のご主人に、その後浮世絵の扱い方や見方を一通り教えて貰ったそうで、ご主人は浮世絵に精通した方だと思われます。
きっと北斎への感動を、枯渇することのない源泉に変えてくれたのでしょう。
浮世絵に精通していた、古本屋のご主人との出会いが良かったのだろうなと推測しています。
これが分かっただけでも、島根に来た甲斐がありました。
澄川さんの展示も良かったですよ。
まとめて作品を見るのは初めてでしたので、私なりの鑑賞ポイントが見つけられました。
澄川さんの作品は、木を使った抽象彫刻です。
一言でいうと素材の組み合わせが鑑賞ポイント。
木目の魅力、木の色の違い、ツヤのあるなし。
作品と台座部分とのバランス。
それらが見比べられたのがいいですね。
「そりのあるかたち」をテーマに作品制作をされていますが、「そり」という形については、日本刀の形を想像していただくと分かりやすいですよ。
ランチは島根和牛入りのハンバーグ
ランチはグラントワ内にある、レストラン「ポニィ」で。島根和牛入りのハンバーグコースを堪能しました。席数を減らして間隔を取っているせいもありますが、空間がとても心地よかったです。
こちらの記事でどうぞ。
美術館情報
島根県立石見美術館
島根県益田市有明町5-15
2005年10月に開館。
島根芸術文化センター(愛称グラントワ)内に島根県石見芸術劇場とともにオープン。
グラントワとは、フランス語で「大きな屋根」という意味。
石州瓦の切妻屋根を持つ、文化センターを表すのにふさわしい愛称とのことで、一般公募により採用されたそうです。
センター長は澄川喜一氏。2020年文化勲章を受賞された、島根県出身の彫刻家。
東京スカイツリーのデザイン監修もされた方です。
併せて行きたい私のオススメ美術館
島根県立美術館(島根県松江市)
島根県には益田市と松江市、県立美術館が2つもあるのですね!
太田記念美術館(東京都渋谷区)
永田生慈さんが長年、副館長及び学芸部長を務められた美術館。浮世絵専門の美術館です。
北斎館(長野県小布施市)
晩年、北斎が作品制作の依頼を受けて滞在した場所(諸説あり)。美術館以外にも、80歳を超えてから手がけた、岩松院というお寺の天井画は必見。小布施は観光地としてもいいところです。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。