東京では、意外なことに、初回顧展になります。
もくじ
- 東京では初の回顧展
- 行ってよかった2つの理由
- 白髪ワールドの完成
- 美術館情報
東京では初の回顧展
東京では初の回顧展となる白髪一雄(1924-2008)展。
兵庫県尼崎市に生まれ、具体美術協会の中心的メンバーだったこともあり、地場は関西なのですね。
関東の美術館も横浜美術館、横須賀美術館、東京都現代美術館などに収蔵されています。
ですから作品を見たことがあるので、東京で初回顧展というのは意外でした。
行ってよかった2つの理由
初期の作品が見られたのが良かったのと、60点というまとまった数を見られたのが良かったですね。
私が思う白髪一雄作品は、足で描くフットペインティング。
初期はその影も見えない作風でしたので、画家の作風の変化をあらためて実感。
そして大型の作品が多いので、60点という数も見応え充分でした。
白髪ワールドの完成
日本画から油彩に展開し、失敗作の絵具をパレットナイフでこそぎ取る作業から、絵具の流動性を見出し、試行を重ね、白髭一雄と言えばコレ!のフットペインティングが生まれます。
キャンバスに絵具をまいて、足で伸ばしながら描くのです。
色の混ざり具合や、ドバドバ使っている絵具の量がとにかく迫力。
仏門に入った影響もあり、その教えの世界観を表すような作品もあります。
果たしてこれを、抽象と呼んでいいものなのか?
混ざる色、あっちこっちに広がったり、円のように完結する流れ。
静かな展示室で躍動する線の流れを楽しむ展覧会です。
美術館情報
東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
開館時間:11:00〜19:00
(金土は20:00まで/入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
白髪一雄展は2020/3/22(日)まで開催です。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。