自分探しと自己探求の違い 洋画家・広田稔さんの言葉から考えたこと

愛読誌「新美術新聞」に掲載されていた
洋画家の言葉を読んでいて

「自分探し」と「自己探求」の
違いって何だろう?
と思い、考えてみました。

「自分探し」は
自分が何者か、定まらない状態。

「自己探求」は
自分を生き切るために
在り方や生き方を考え続けること。

こんな解釈をしています。

広田さんの言葉

「絵は探す行為。知らないことを探すのが
楽しいんだよね。
50歳ぐらいになったらテーマや絵面は
決まっているものだと思ってたけど、
いまだにやりたいことがいっぱい。」

新美術新聞 第1628号 青春プレイバックより一部抜粋)

この言葉は、広田さんの師である方から
若い頃に言われた、

絵描きになりたいなら、50歳までは
とにかく描き続けなさい

と言われたことを受けた発言だと
思われます。

50歳になったら、もっと描くこと、
やることが定番化していると思っていたけれど、

63歳になった現在でもやりたいことが多くて、
まだまだ定まるなんてことになってないよ。

そんなニュアンスを私は受けました。

自分探しと自己探求の違い

前述の言葉を読んだ時に、
私がとっさに思ったのは

画家として成功している広田さんでも
まだ自分探しをしているのか、
ということ。

しかし、この思いつきはしばらくすると、
違和感に変わっていきます。

広田さんのプロフィールを誌面で読む限り、
高校生の頃には、すでに画家になるために
美大への受験を決めています。

美大を卒業し、現在も洋画家として
活躍されているので、
「自分探し」は高校生の時に終わっているはず。

その後は画家としての
ご自身の在り方や生き方について、
「自己探求」を続けていらっしゃるのだ
という考えに至りました。

「自分探し」は自分が何者として
生きていくのか、まだ定まらない状態。

「自己探求」は自分を生き切るために、
在り方や生き方を考え続け、
振り返り、修正したり、変化したりを
続けること。

こんな風に解釈しました。

洋画家・広田稔さんのプロフィール

広田稔(ひろた・みのる)

1959年 広島県生まれ
1983年 東京藝術大学美術学部卒業
1985年 同大学院修士過程修了(彼末宏教室)
現在白日会常任委員

誌面の写真を撮らせていただきました。
人懐っこそうな笑顔ですね。

個展など詳細は、公式ホームページをご覧ください。

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