行きたい展覧会の一つとして
私がピックアップしている
土門拳の古寺巡礼展。
見に行きたい理由を
写真家のまなざしを感じる、と
いう切り口でお伝えします。
まなざしを感じる
この展覧会は、山形県酒田市出身の写真家
土門拳(1909-1990)の展覧会。
ライフワークとしていた
「古寺巡礼」の作品展示です。
【開幕】「土門拳の古寺巡礼」東京都写真美術館(恵比寿)で5月14日(日)まで。
第一集が刊行されてから60年。「日本の美」の本質に迫った不朽の名作をじっくり味わえます。 https://t.co/ZzTcTyTrHc— 美術展ナビ (@art_ex_japan) March 22, 2023
仏像の写真が
多く展示されていると
思われる展覧会ですが、
撮影するにあたっての、
土門拳ののまなざしを
感じることができると思っています。
例えば、仏像の手や足、顔など
一部分がクローズアップされた写真や、
木彫りの仏像で、表面が時間の経過と共に
朽ちているような部分、
そういったクローズアップされた場所に
何か気になるものがあったのか、
それを写すことによって
何を伝えようとしたのか、
というようなことを
感じとるのです。
「まなざし」とは目つきのこと。
まっすぐものを見るときの
目の表情のことだそうです。
対象の人や物を見るときに感じる
目の表情を表すとのこと。
私はもう一歩踏み込んで
写真家が単に目で見たものだけでなく、
対象となるものの中に何を見ていたのか。
土門拳の哲学といってもいい「まなざし」を
感じたいと思っていますし、
また感じることができると思っています。
「視線」と「眼差し」と「目線」の違いについて、
参考にしたページもご覧ください。
美術館情報
東京都目黒区三田1−13−3
恵比寿ガーデンプレイス内
開館時間:10:00〜18:00
木・金は20:00まで
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(ただし5/1は開館)
土門拳の古寺巡礼展は
2023年3月18日(日)〜5月14日(日)まで開催です。
オンラインによる日時指定予約を推奨。
4月15日と5月6日には
土門拳の内弟子であり、撮影助手も務めた
藤森武さんによる関連イベントも開催。
予約不要で当日先着順・入館料のみで聴講できます。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。