「超訳 古事記」最初に古事記を読むならこの一冊 初めて古事記を読んだ私がオススメする3つの理由

古事記と日本書紀。いつかは読んでみたいと思いつつ、

なかなか興味のある作りの本に巡り会えないでいます。

今回ご紹介する「超訳 古事記」(鎌田東二著 ミシマ社)。

とにかく読みやすく、最初に読む古事記としては

最適だと思っています。

もくじ

  • 殆どの漢字はフリガナ付き
  • 詩のようなリズムのある文体でテンポよく読める
  • 丁寧な解説

超訳古事記_鎌田東二著

殆どの漢字はフリガナ付き

どのような基準かは分かりませんが、

あとがきや解説以外の本文とされる部分には、

殆どの漢字にフリガナが付いています。

私が読む限り、ここまで付けなくてもいいのでは?

と思うほど丁寧についています。

この丁寧さの有り難みを一番実感できるのは、神様のお名前です。

例えばこの漢字の羅列、神様のお名前ですが、読めますか?

宇摩志阿斯訶備比古遅神

読みは「うましあしかびひこじのかみ」です。

神様のお名前は、独特の漢字の組み合わせと読みがとても多く、

私にとっては馴染みのない、文字と音も多いので、

フリガナなしにはとても読めません。

詩のようなリズムのある文体でテンポよく読める

読み初めてしばらくすると、

とてもリズミカルな文体であることに気づきました。

古事記はもともと口承伝承のような語りものであって、

文字で書かれたものではなかった

という著者の考えに基づき、その感覚を再現するための試みです。

語りの原型を再現するために、本という形をとりながら、

より「語り」を体感できるように、

詩のようなリズムでつづられています。

丁寧な解説

本文に続いて、以下3つの解説が続きます。

・神々の系図
・神名解説
・あとがき

【神々の系図】
家系図のような図で、神様同士の関連性が俯瞰できるように
なっています。本文に出てくる神様の復習にもなり、
全体がひと目で分かるというところがいいですね。

【神名解説】
本文に出てきた神様がどのように生まれて、
なにをされたのか、また他の神様との関連など
プロフィール的なことが書かれています。
こちらも本文に登場した神様の復習に最適。

【あとがき】
「超訳 古事記」ができるまでの行程が書かれています。
この本ちょっと変わった方法で作られているのです。
普通は本なので、著者が「文字で書く」のですが、
著者が語ることを、信頼のある編集者が聞き、
話すことを文字に起こす。先にも書きましたとおり、
古事記が元は文字ではなく、口頭伝承であるという
あたりも再現しながら、著者と編集者で生み出した本といえます。

古事記は全体で、上中下巻の3巻で構成されますが、

この本は上巻の神話「神物語り」の部分だけを、

口語に訳したものです。

よって、原文を忠実に訳した本ではありません。

このようなことが書かれていることにより、

この本を出発点に、自分が興味をもった

古事記との関わり方を、考えることができますね。

もっと原文を忠実に訳した古事記を読んでみたい

上中下巻と完全版を読んでみたい

古事記の周辺を知りたいならば、末尾に書かれた参考文献を

読むのもいいでしょう。

古事記に興味を持った時に、どうやって興味を拡げていくか。

その拡げ方が分かる、あとがきであり、

古事記を最初に読むなら「超訳 古事記」と、

私が思う理由のひとつです。

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いつかは全文を読んでみたいと思っている、古事記と日本書紀。

本屋さんや図書館、Webで調べると、

多くのバージョンが出版されているのですが、

それが混乱の元。

どれを読んだらいいのか分からないのです。

そんな時みつけた今回ご紹介した一冊。

これをきっかけにまずは古事記の世界を、拡げていこうと

思っています。

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