雨が降ると思い出す彫刻
建畠覚造(たてはた・かくぞう)
「さ傘(天の点滴をこの盃に)」
1973年 アルミニウム・ステンレス・鉄
東京都美術館のレストランサロンへ続く
廊下から見える作品です。
逆さの傘が、道端に投げ捨てられているようで気になります。
何があったのだろう?
水が溜まったように作られ
時間の経過も感じます。
交通事故のような痛ましい現場なのか、
映画のワンシーンのように、
惹かれ合う者同士の劇的な出合いの
場面か。
物語る傘の彫刻です。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。