上村松園・松篁・敦之展 東京富士美術館 松園の人間としての強さに凄みを感じる

2020年に開催されたものの、感染症拡大の影響により
たった2日で幕引きとなった展覧会。

それが再度開催となりました。

関係者の方々の尽力で、嬉しいことです。

上村松園から始まり、息子の松篁、孫の淳之と
三代にわたる日本画家の作品展。

東京富士美術館

それぞれの特色がよく分かる展示です。

松園(しょうえん)は人物画、

松篁(しょうこう)は植物、

敦之(あつし)は鳥と

大まかに分けられます。

同じ系統を踏まないのは、偶然なのか、
意図的なのかは分かりませんが、

松園という偉大な画家の血筋を引く
松篁や敦之は、

プレッシャーを感じた時期があるかもしれない
と想像しました。

やはり一番惹かれるのは松園の作品。

見る人が一点の曇りもなく、
清々しく見られるような絵を描くとの宣言通り、

表情や仕草、色彩に特に清々しさを感じます。

そして、今回も強く思ったのは、

松園が活躍した明治・大正時代は、
女性が絵描きとして独り立ちすることが
非常に厳しかったということ。

絵が上手かったからこそでしょう、
世間との軋轢も感じずにはいられない
解説もありました。

この逆境があってこそ
自分の絵の世界ができたと言っているあたりは、

松園が絵に関しては厳しく、
完璧な姿勢で臨んでいたのだと想像ができます。

絵にはそんな気負いや悲壮感は
まったく見えないのにね。

今回も松園の人間としての強さに
頭が下がる思いで、展示室を後にしました。

東京都八王子市にあります、
東京富士美術館にて2022/3/13(日)まで開催です。

SNSはじめました!

ブログだけでなくSNSもはじめました。
フォローしてくれるとうれしいです!