修復とは違う「再現模造」を知ることができる展覧会。
再現とは、単に見かけを似せることではないのです。
綿密な調査のもと、
どうやって作ったのか、
なぜこのように削ったのか、
彫ったのか、
色付けしたのか、
パーツも同じものを再現し、
組み立てて作ります。
そうすることで、作り手たちの気持ちまでも
知ることができるようです。
見えるものだけでなく、
見えない気持ちや精神も「再現」する。
展示室に並ぶ新品同様の
古の宝物をみることで、
当時、それを見た人も感じたであろう
「スゴイ!」とか
「綺麗だ〜」とかいう感覚も
共有できる気がします。
「再現模造」と呼ばれる正倉院宝物の
模造品の展覧会です。
東京都港区、東京ミッドタウンガレリア3階の
サントリー美術館にて、2022/3/27(日)まで開催。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。