神奈川県立近代美術館 鎌倉別館 岩田色ガラスの世界展 工夫や考えあっての美しいガラス作品が見られる

ガラス作家の一家、岩田家の3人の作品が見られる展覧会です。

この展覧会で印象に残った3つのことは、

  • 色ガラスにこだわる理由
  • ガラスの茶道具
  • 長男・利久の妻、糸子の感性

ひとつずつ、書いていきましょう。

岩田色ガラスの世界

色ガラスにこだわる理由

「日本の風土に透明は冷たすぎる」

と色ガラスに至った経緯を語った、
岩田藤七(いわた・とうしち)。

現在3代に渡ってつづくガラス作家の一家、岩田家の初代です。

ガラスは夏の器というイメージがあるなか、

1年中売れる作品をという

実用としての理由もあったようです。

芸術性と実用性の両面を考慮し、

工夫を重ねながら作品を創り出す姿勢に、

ガラス作家として生きていく意志を感じました。

ガラスの茶道具

今回の展示で、いちばん新鮮に見えたのが、
ガラスの茶道具。

水差しが特に印象に残りました。

蓋はガラスではなく、他の素材を使っていましたが、
色の入ったガラスは本当に綺麗。

やはり夏のイメージはありますが、
全体に色がはいったものや、

濃い色が多いものは、
夏意外の季節でも使えるのではないか
と思いました。

茶道には疎いので、個人的な感覚になりますが、

白や灰色の水差しなどは、
雪がイメージできて冬にも使えそうです。

この作品をもし私が使うとしたら、
などと考えながら見るのも楽しいもの。

これらガラスの茶道具も
最初は受け入れて貰えなかったそうですが、
昭和50年位から、
徐々に注文が入るようになったそうです。

展示室にはちょうど
昭和50年代に作られた作品が並びますよ。

長男・利久の妻、糸子の感性

藤田藤七の長男、利久の妻、糸子。

彼女の存在もキラッと光っていた展覧会です。

糸子は結婚後、30歳からガラス制作を始めたそうです。

「始めた」というより、
「仕方なく始めた」ところが驚きます。

それは、藤七と夫が同じ時期に体調を崩したことがあり、

糸子が職人たちと共に、
工場を切り盛りししなくては
いけなかった、という理由があったそう。

しぶしぶ始めたような印象を持ちましたが、

だからこそ、既存の技法や素材にとらわれずに
自由な発想で制作をしていた様子が伺えました。

彼女の作品で良かったのは、

複数の花器を組み合わせて、
山々を表した作品。

花がなくても花器だけで
十分な存在感があり、

山々の連なりが本当に
見えてくるようでした。

神奈川県立近代美術館鎌倉別館にて、2021.11.14日まで開催です。

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