ゲコノミクス巨大市場を開拓せよ!藤野英人著 恐るべしゲコの多様性とノンアルコール世界の豊かさ 楽しさを受け取った一冊【書評】

ゲコノミスト(お酒を飲まない人)、ノミスト(お酒を飲む人)という言葉。

どちらの立場もフラットに表したいとの思いから、著者の藤野さんが作られた造語ですが、今後使われるようになっていくかもしれません。

もくじ

  • 市場を作り出すという視点
  • 恐るべしゲコの多様性
  • ゲコの文化はこれから作っていく
  • 私がノンアルコールを楽しむためにやろうと思うこと

市場を作り出すという視点

レオス・キャピタルワークス株式会社、代表取締役社長・最高投資責任者でいらっしゃる藤野英人さんの著書。

ある時、朝日新聞で「ゲコノミスト」の記事を読み、藤野さんが主宰されているFacebookグループがあることを知り、グループに入れていただいたのが、ノンアルコールの世界へ足を踏み入れるきっかけになりました。

ノンアルコールの世界は深くて楽しい予感がする。ゆえにこの本もノンアルコールやゲコの世界を今一度確認しながら、グイグイと引き込まれるように読めました。

投資家の藤野さんだからこそでしょうか。

市場を作り出すという視点がとても新鮮です。

ご自身は喘息を発症したことがきっかけで、お酒を止めて、ゲコノミストを謳歌されています。

本を書くことにより、ゲコノミストの世界がもっと楽しく、美味しく、豊かなものになるためにという、とてもシンプルな本心もあるのではないでしょうか。

市場ができれば、日本ではまだ余地があると思われるノンアルコール飲料の開発や商品化に、勢いがつきますものね。

ノンアルコール市場は主たるターゲットである、ゲコノミストたちのの好みが複雑であるがゆえに手間はかかるが、きちんと対応できればそれこそ「3,000億以上の市場」になると、本書で言われています。

次項では、ゲコノミストの好みの複雑さ=多様性について、書きましょう。

恐るべしゲコの多様性

ゲコと一口にいっても、体質と味覚の複雑さという意味で、多様というところに納得。

かくいう私も完全な下戸ではなく、アルコールを分解するのにとても時間がかかる体質なのです。

ビール少ジョッキ1杯、ワイングラス1杯くらいなら時間をかけて美味しく飲めます。

日本酒は美味しいと思うのですが1合も飲めないし、好みで言えば、蒸留酒は味が好きではないので飲みません。(アルコール度数も高いですしね)。

ノンアルコールに関して言えば、ビールはかなり美味しいものがありますが、ワインは砂糖が入っているジュースみたいな製品しか飲んだことがなく、ちょっとがっかりしているのが実情。

と、私一人とってもこんな状況です。

Facebookグループのゲコノミスト(お酒を飲まない生き方を楽しむ会)に入るとその多様性がよく分かります。

体質でみた場合、私のように少し飲める人、

お酒は好きだけどドクターストップで飲めない人、

注射や手指のアルコール消毒にも反応してしまうアルコールアレルギーの人、

お菓子に入っているブランデーやラム酒漬けのレーズンを食べても、顔や体の皮膚が赤くなってしまう人などがいます。

味覚でみた場合は、ビールやワインなどお酒の味自体が嫌いという人、

私のようにお酒の味は好きなので、アルコールだけ抜いて欲しいという人、

炭酸が苦手なのでそもそもビールやスパークリングは好きではない、

などと、体質以上に複雑になっています。

本当に「ゲコ」のバラエティは半端なく広い。

ゲコの文化はこれから作っていく

本の巻末には著者の藤野さんとコピーライター糸井重里さんの対談が、収録されています。

そこで非常に共感したのが、お酒と文化はつながっていて、アルコールを飲まないということにまだ「文化」がない、ということ。

そこなんですよ!

私は自分がお酒を飲めないことで、損をしている、残念だ、悲しいと感じているのは、そこなんです!

お酒の文化という偉大な、深い、歴史のある、壮大な、日本に限ってみても、各地にある層が厚い、素晴らしい文化を享受できないこと。

日本酒なら地域ごとに原料のお米からはじまり、水、気候があり、それらを熟知して仕込む杜氏の方がいる。

ウィスキーやワインは外国から入ってきたお酒ですが、誰が、いつ、日本に入れて、どう定着していったかという歴史とともに、ドラマがあります。

知識だけ知っていて試せないことがこれほどつまらない文化は他にはないでしょう。

楽器が引けなくても音楽は楽しめるし、絵が書けなくても美術は楽しめます。

ラグビーができなくても観戦して楽しめる。

だけどお酒と食べ物だけは、口に入れて、カラダで体験しないかぎり、文化を享受したとは言えません。

話を聞いたり知識だけ持っていても、楽しくもなんともないのです。

体質や好みによる個別化、多様化が激しいゲコの世界で、柱となるような文化としての基盤ができるのか。

文化は歴史とともに作られて、すでにあるものという感覚が強かったので、文化を作るってどうゆうことなのか、いまいちピンと響かないところはあります。

「お酒が飲めたらいいのにな」という憧れは拭い去れないでしょう。

でもその憧れを、諦めで終わりにしないで、せっかくこの本でノンアルコールの可能性が分かったのですから、まずはいろいろ試して飲んでみることからはじめようと思います。

私がノンアルコールを楽しむためにやろうと思うこと

  • 自分の好みのノンアルドリンクを探す

とにかく飲んでみるしかないですね(笑)。

百貨店やスーパーのお酒売り場にはたいていノンアルコールコーナーがありますので、買い物やでかけたついでにパトロール。

とくに百貨店は珍しい商品があるかもしれないですしね。

最近では個人の酒屋さんでも、店主さん独自のラインナップでノンアル商品を置くところもあるようなので、機会があれば行ってみたいです。

  • シチュエーションの開拓

私がノミストたちの行動で羨ましく思っていることの一つが、「ふらっと飲み」です。

仕事帰りに「ふらっと」一杯。

0次会とも言う本番の集まりの前の時間に「ふらっと」一杯。

そして二次会で「ふらっと」一杯。

これらは一人のことも多いようなので、私ならドトールでコーヒーでも飲んでいくか、といったノリと同様に見受けられます。

このようにノンアルドリンクで「ふらっと飲み」ができるお店を見つけること。

バーではモクテル(moctail・moc似せた・真似た+cocktail=ノンアルコールカクテルのこと)を提供するお店や、言えばノンアルコールカクテルを作ってくれるお店もあると聞きます。

都内では、ノンアルコールバーなるお店もあるようなので、興味しんしんです。

味も。雰囲気も良いお店があると嬉しいなぁ。

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