東京国立博物館(東京都台東区・上野公園)で、3/8日まで開催中の特別展「出雲と大和」を見てきました。
この展覧会に行って良かったなとつくづく思うのは、すごく根っこの部分の知識を得ることが出来たこと。
具体的には以下の2点です。
- 「幽と顕」という世界について
- 古事記と日本書紀の違い
もくじ
- 「幽と顕」という世界について
- 古事記と日本書紀の違い
- 古代世界に圧倒される展示
- 展覧会情報
「幽と顕」という世界について
「幽」(ゆう)は見えない世界、人間の力が及ばない神や祭祀を司る領域。
「顕」(けん)は見える世界、人間が暮らす領域で、天皇が政により治める領域。
その二つの世界について、現在の島根県である出雲は「幽」を、奈良県である大和は「顕」を、役割としていたこと、その成り立ちと歴史が分かります。
古事記と日本書紀の違い
参考にした2つのサイトがとても分かりやすいので、まずはご紹介しておきましょう。
どちらも日本という国がどのように生まれて、6世紀位までに至るのか、を書いたことは共通しています。
しかし、編纂の目的が全く違うのです。
古事記は国内向けで、天皇家の歴史の正当性をアピールする目的。
神話を主に構成されています。
日本書紀は国外向けで、日本という国家をアピールする目的。
神話ではなく、事実が起こった順に書き記す、編年体で、しかも漢文で書かれています。
編纂にかかった年数や、冊数も違う。
これは2つで1つとして完結する書籍なのだと思います。
古代世界に圧倒される展示
展覧会は紀元前4世紀から、紀元後7世紀の、むかしむかしの時代を扱っていますが、
膨大な量の銅剣に圧倒され、
古代の出雲大社は本殿の高さが48mもあったという模型に圧倒され、
2つの地域の様子に圧倒される展示です。
神仏融合についても興味深かったですね。
現代に至るまで、お寺と神社が自然と生活の中に溶け込んでいる、
千年以上経っても脈々と受け継がれていることに気づき、驚くばかりです。
展覧会情報
特別展 日本書紀成立1300年「出雲と大和」
東京国立博物館(平成館)
入館料 ¥1,600円(一般当日券)
会期 2020/1/15(水)〜3/8(日)(前期後期で展示替えがあります)
開館時間 9:30〜17:00(金土は21:00まで)
入館は閉館の30分前まで
休館日 毎週月曜日・2/25火(ただし、2/24月祝は開館)
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。