塩と梅だけの「本物」かつ、「普通」の梅干しを、仕込んできました。
昨年夏の青柚子胡椒からはじまり、冬の黒豆味噌、そして3回目の今回は梅干し仕込み。
「梅ちゃんの発酵教室」で、ゆるりゆるりと発酵食ライフが充実しています。
湿度と温度が高くなってくる「The日本の夏」がくると、梅干しを欲する私。
塩と梅だけの梅干しがなかなか手に入らないので、この「普通」の梅干しが自分で仕込めて嬉しいのです。
もくじ
- ココが良かった!今回のお教室
- 仕込みの様子
- 「塩梅」の語源、ここにあり。
ココが良かった!今回のお教室
- 前に一緒だった方が何名かいらした。
- 余った梅の利用方法を参加者さんに聞けた。
- 梅干しの歴史、実は梅干しは副産物。
- 塩分濃度と保存について。
- 干し方と出来上がりの柔らかさについて。
同じことに興味を持つ人同士の集まりというのは、初顔合わせでも打ち解けるのが早いもの。
今回は以前の教室でご一緒の方もいて、より楽しいものとなりました。
お料理上手な方には、余った梅の利用方法など、お役立ち情報が聞るのは、ポイント高し。
そして、知らなかったことを知るというのは、純粋に楽しい。
今回一番驚いたのは、梅干しは梅干しがメインではなくて、
作る過程でできる「梅酢」と呼ばれるものを作るための、副産物であったこと。
歴史的にはそうなのです。
副産物ですか。。。急に梅干しが気の毒になる私。
梅酢の効能や使い方も教えて頂いたので、私は両方とも主役で、しっかり楽しみますよ。
そうそう、もう一つ驚いたのが、干し方と出来上がりの柔らかさの関係。
梅「干し」、と呼ぶくらいなので天日干しをするのですが、
どの程度の強さの陽に、どの位の時間当てるのかによって、仕上がりの柔らかさを調節するのです。
調節と言えば、塩分濃度も同じく。
減塩にしたいといっても、ある程度の濃度は確保しないと、途中でカビてしまうそうなのです。
梅ちゃんの発酵教室では、ギリギリに下げた塩分濃度で仕込んでいますので、出来上がって○%の塩分濃度はこんな味、と覚えておきたいですね。
次回漬ける時の参考になりますから。
私の知識欲を満たしながらも、おしゃべりのようなサラッとした講義のあとは、いよいよ仕込みの実践です。
和歌山県産無農薬の青梅と、ミネラルたっぷりの粟国の塩で、仕込み開始!
仕込みの様子
梅干しに適しているのは、真っ青な梅。そして傷がないもの。選別しながら、洗ったり、竹串でヘタをとったりと、下準備をします。
プラムのような爽やかな香りがたまりません〜。いい香り。
焼酎にくぐらせ消毒した梅と、塩を、段々に重ねて漬ける容器に入れていきます。
使った容器は「野田琺瑯」
お塩は粟国の塩
お教室ではここまで。
自宅に帰ってから、仕込んだ梅に落し蓋をして、重しをします。
落し蓋はお皿、重しは2Lのペットボトル2本です。
こうして家にあるもので代用できることも教えていただけるので、無駄な初期投資も発生しません。
コレ重要。
道具は徐々に揃えていってもいいのですから。
試食は、梅干し入のお揚げ卵焼きと、きゅうりの梅干しあえ。
黒豆味噌のお味噌汁もいただきました。
炊きたてご飯がすすむすすむ。
後日、いくつか工程をへて、8月上旬くらいに出来上がる予定です。
黒豆味噌の1年に比べたら、出来上がりが早いですね。
「塩梅」の語源、ここにあり。
写真は梅に塩をふりかけて、数日後の状態。
梅が気持ちよさそうに漬かっている液体が「梅酢」で、「塩梅」という言葉の語源です。
食酢がない時代、梅酢を料理に使っていた頃に、塩と梅酢の味加減が良いことを「良い塩梅」と表現していたそうです。
「按配」や「案配」と表記することもありますが、語源は「塩梅」。
詳しい意味や使い方は、Weblio国語辞典に分かりやすい説明が載っていましたので、ご覧くださいね。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。