樹齢を重ねていると
思われる大きな松に、
赤く丸い太陽は
日の出でしょうか。
タイトルは「壽」。
年始にふさわしい
おめでたい絵画です。
松が二股に別れている部分に
漫画のような鳥が
4羽描かれています。
これが「壽」の文字を
デザインしているようです。
まじめな絵の中に、
いきなりイラストが
しかもど真ん中に
描かれる大胆さには
驚きです。
体も大きく、大酒飲み、
そしてこんな大胆な遊び心を
絵の中に描いてしまえる横山大観とは
どんな人だったのか。
きっと豪傑な人物だったと
想像します。
この新しい1年、
ちょっとゆきづまったり、
面白くないことが起こったり、
そんな時に、この絵を見て
大胆な遊び心を自分の中に呼び覚まし
再生する手助けをしてもらおう、
そんな風に思う1枚です。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。