私の部屋2号室認定の、カフェにて。
新作らしきチーズケーキのような冷たいパインケーキとアイスコーヒーで美味しく涼をとり、PCに向かって書き物をしていたところ、斜め前に二人組が着席。
60台前半くらいの女性と、30台後半くらいの男性。
(ここから先()内は、私の心の声。)
当然ですが、2人の会話が始まりました。
(あ~、うるさくなるわ~。移れるような席も空いてないし、泣)
なにやら女性が主催するイベントに男性が参加することになり、そのご縁について、まずは喜び合っている様子。
(・・・・・)
そのうち「ご縁」話が拡がりをみせ、最近結婚したという男性とその奥様の関係や出会いについてみてあげると、タロットカードのようなものが出てきました。
(このおばさん、スピリチュアル系か?こういうのリーディングとかチャネリングの類だよね。)
その後も私は、書き物に集中したり、会話に耳を傾けたりを繰り返します。
嫌いな人が目の前に来た時や関わることになったときは「ああ嫌だ」と言ってはだめ。
嫌だと言って消そうとするとずっと追ってくるから。
目の前に現れることはみんな自分の反面教師。
「なぜこの人が私の目の前に来たのだろう?」と自分に寄せて考えるといい、
などと、なかなか含蓄のある発言をしています。
(うん、これは納得。)
そして「長崎のあんでるせん」の話も。
(確か、超能力を使うマスターのいる、予約が取れないと聞く喫茶店だ。)
そんなこんなで、二人の会話を興味深く聞きつつ、意外と書き物がはかどっている事実を目の当たりにして、不思議な感じ。
二人の会話がうるさいと思っていたのに。
そして最後の極めつけ。
帰り際におばさんが私に一言。
「お騒がせしてごめんなさいね。」
(むむっ。私が「うるさい」って思っていたのをお主、読んだか!)
(でも、だったらどうしてもっと静かに会話をしてくれなかったんだろう?)
(だけど、意外と書き物がはかどったのはどうゆうことだ?)
ある夏の日。
私が二人の会話を聞いていただけでなく、
私の心の声まで聞かれていた話、でした。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。