クリストとジャンヌ=クロード 21-21DESIGN SIGHT アーティストが作るのは作品だけではない

2022年6月に開幕した展覧会も
いよいよ2/12(日)まで。

凱旋門を包むプロジェクトの
ドキュメンタリー企画。

多くの映像から
クリストとジャンヌ=クロードが作りあげた
作品以外のものが感じ取れる展覧会です。

2人が作りあげた作品以外のもの

それは、家族・仲間・チームを作ることだと
思っています。

志が同じ者たちと人生を歩み、
それぞれの専門を生かす場を提供する、

そんなことをしたアーティストに
見えるのです。

クリストとジャンヌ・クロード

記録係のように作品や2人を、
50年間も撮影している
写真家もいました。

長く2人のプロジェクトに関わる人が
だんだんと増えていき、
家族のようなチームが出来上がるのです。

クリストとジャンヌ・クロード

クリストとジャンヌ=クロードが作る作品は、
今回の「凱旋門を包む」ように
景観をも変えるほどの
大きなプロジェクトになることが多く、
到底2人だけではできません。

チームができて、そのチームに
プロジェクトが変わっても
さらに関わり続ける人がいれば、

仲間・家族となってゆくのは、
自然の摂理なのかもしれません。

「記録」と「記憶」を残すインスタレーション作品

「包まれた凱旋門」のような
巨大なインスタレーション作品は、
1週間から10日くらいの期間限定公開です。

期間が終われば撤収され、
その場からなくなる儚いもの。

そのかわりに、写真や映像として
「記録」を残します。

クリストとジャンヌ・クロード

そして、作品を作り出すことで
副次的に生まれるのが、

見た人々の感動や思い出、

プロジェクトの企画や作業に
関わった人たちなら、

チーム同士のつながり
といったことが
「記憶」として残るでしょう。

「記録」と「記憶」。
これも2人の作品を通して
作られるものの一つです。

同じ誕生日の二人

クリストとジャンヌ=クロード
同じ歳で、誕生日も同じ。

ただの偶然だと片付けることも
できますが、

私はこの事実がとてもすごいことで
2人が出会うべくして会ったのではないかと
運命を感じています。

クリストとジャンヌ・クロード

クリストはブルガリア生まれ。
ジャンヌ=クロードは
フランス領モロッコ生まれ。

それぞれの場所で
1935年6月13日に誕生しています。

その後パリで2人は出会い、
生涯を通して
世界中で「包むこと」を主に
アーティスト活動を続けました。

ジャンヌ=クロードは2009年に74歳で、
クリストは2020年に84歳で亡くなります。

コロナ禍で工事が遅れる中、
完成を見ずに彼は亡くなりました。

「包まれた凱旋門」は完成しましたが、
継続中のプロジェクトはどうなっているのだろう?
それらのプロジェクトを引き継ぐチームは
あるのだろうか?

生前は世界中で大きなプロジェクトを
かかえていたようですので、

ふと、寂しさと共に、
そんな心配が浮かびました。

でも、「記録」と「記憶」がある限り
2人と2人の活動は永遠だと思っています。

美術館情報

21-21 DESIGN SIGHT

東京都港区赤坂9-7-6東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00〜19:00
(入館は閉館の30分前まで)
休館日:火曜日・年末年始・展示替期間

クリストとジャンヌ・クロード

クリストとジャンヌ=クロード展は2023年2月12日(日)まで開催です。

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