コロナ禍以降、美術館では
オンラインでチケットを事前購入できる
ところが増えました。
気ままにフラリと行けないこともあり
窮屈さを感じることもありますが、
1日に2〜3館行く私にとっては
より効率的に美術館巡りができるようになったと
最近になって実感しています。
オンラインチケットを買って行くのがいい場合と
気ままにフラリと行く場合との使い分けや
組み合わせが、
自分なりに上手くできるように
なったからだと思われます。
そんなオンラインチケットの活用術を
今回は書いてみたいと思います。
オンラインチケット活用術
私が実行しているのは以下の2点です。
・同じ地域内の美術館を組み合わせて行く
・チケットをオンラインで事前購入か当日窓口で買うかを決める
具体的にとある日の美術館巡りを例に書きます。
★同じ地域の美術館を組み合わせて行く
森美術館(日時指定のオンラインチケットを事前購入)
↓
徒歩でサントリー美術館
(確か期間中有効のオンラインチケットを事前購入)
この日は、六本木地域の2館の美術館へ行きました。
日時指定で縛りが強い森美術館を先に見て、
時間指定のないサントリー美術館を後にしています。
★チケットをオンラインで事前購入か当日窓口か決める
2館ともオンラインチケットを事前購入しましたが、
その理由は、森美術館はオンラインの方が
窓口購入より安いためと
美術館が入っている森タワーは東京シティービューや
森アーツセンターギャラリーなど
他の施設も入っており混雑することがあるので、
チケット購入の際に並ぶのを避けるためです。
サントリー美術館は時々窓口が混んでいることがあるため、
スムースに入館できるよう事前購入して行きました。
以下のメリットや種類を使い分けながら
自分に合った使い分けをしてみましょう。
オンラインチケットのメリット
オンラインでチケットを事前購入するメリットは
以下の5点だと感じています。
・行き忘れ防止
・事前購入による心理的安心感
・当日の並ぶ時間の節約
・窓口で購入するよりも安い
・気まぐれな予定変更を防ぐ
一つずつ具体的に書いてみましょう。
★行き忘れ防止
事前にチケットを買うことにより
行き忘れ防止になります。
ただし、紙のチケットのような
目に見えるものではないので
いつ行くのかなどのスケジュール管理や、
リマインドの仕組みを作る必要があるでしょう。
私は手帳でスケジュール管理をする派なので
オンラインでチケットを購入すると、
すぐ手帳に書くようにしたり、
スマホのリマインダーに入れるようにして、
購入したこと自体を忘れないようにしています。
★事前購入による心理的安心感
特に「日時指定」で購入できた場合の
安心感は絶大です。
それでも人気のある展覧会は
展示室に入るまで並ぶこともありますが、
美術館まで行ったはいいけど、入れない・見られない
ということは避けられます。
★当日の並ぶ時間の節約
開館してすぐの時間や、週末の午後など
チケットを買う窓口が意外と
混雑していることがあります。
そういった状況での待ち時間削減にも
なるでしょう。
★窓口で購入するよりも安い
オンラインでの購入に切り替える。
たったこれだけで入館料が安くなる
かなりお得なことだと思っています。
私が利用したところでは
アーティゾン美術館がこのシステムを取り入れており
オンラインで購入したほうが¥300ほどお得な場合があります。
また森美術館では、オンライン購入・窓口購入に加えて
平日と休日の入館料にもそれぞれ¥200差をつけています。
平日オンライン:¥1,800
平日窓口:¥2,000
休日オンライン¥2,000
休日窓口:¥2,200
他館でも窓口購入より安い場合がありますので
ひと手間かかりますが、事前に確認することを
おすすめします。
★気まぐれな予定変更を防ぐ
好きな美術館巡りとはいえ、
その日の気分や体調などで
「行くのやめようかな」とか
「寒いから今日は外に出たくないな」
「この展覧会じゃなくて、こっちの展覧会に行こう」
などと、気まぐれな予定変更を防げるのも
私にとっては有り難いことです。
オンラインチケットの種類
次に、オンラインで事前購入できる
チケットの種類を見てみましょう。
主に3種類のチケットがあります。
・日時指定タイプ
・日付のみ指定するタイプ
・会期中有効なタイプ
★日時指定タイプ
日付と入館時間が指定できるチケットで、
確実に入館できるので安心感があります。
縛りが強そうに見えますが、
例えば2025年2月11日の13:00〜
というチケットを買ったとしても、
13:00以降であれば14:00でも15:00でも、
当日ならば入館できるところがほとんどです。
また空いていれば、指定時間前でも
入館できることがあるので
窓口や係の方に聞いてみましょう。
★日付のみ指定するタイプ
日付だけの指定ですので、
自由度もあるけれども
指定した日に行かないといけない。
適度な自由さと縛りのお陰で、
計画的な美術館巡りをするのに
一番都合のよいタイプ。
私はこのチケットが一番好きです。
(もし指定した日に行けなかった場合、
会期中なら有効になることもあるので
チケットを購入するときの規約や
注意事項を確認しましょう)
★会期中有効なタイプ
紙の前売り券や招待券を持っているのと
似ている感覚のタイプ。
購入することによって、行き忘れ防止になる一方で、
すぐに行かない場合、チケットはスマホの中にあるため
購入したこと自体を忘れる可能性があるので
備忘の管理が必要になります。
以上、3つのタイプのチケットからは、
展覧会の混雑状況も予想ができます。
日時指定タイプは、混雑する人気の高い展覧会。
また、根津美術館のように、展覧会に関係なく
美術館自体が人気で混雑する場合も
採用されてるようです。
日付のみと会期中有効なタイプは、
オンラインで事前購入しなくても
当日窓口での購入で入館できる展覧会が多く、
美術館内でも快適に過ごせることが期待できます。
多様化する美術館のチケット事情
この記事ではオンラインチケットについて
書いてきましたが、
現在はコロナ禍前と同様に
窓口での購入も可能ですし、
オンラインチケットとの
併用という美術館がほとんどです。
窓口で購入の場合、
以前は現金のみだったところでも
交通系ICカードやPayPay、
クレジットカードなどの
キャッシュレス決済が可能な美術館は
増えた感覚があります。
先日、リニューアル後初訪問となる
荏原畠山美術館へ行ったところ
完全キャッシュレス決済となっており、
現金での支払を不可にした
徹底ぶりには驚きました。
まとめとしては、企画展の混雑状況や
割引を含めて、
どのような種類のチケットがあるのか調べ
オンラインで事前購入するか、
窓口で当日購入するか、
決めるのが良いでしょう。

牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。