自転車が描かれた絵画やポスター、
自転車の歴史や、そのデザインの芸術性を
教えてくれる展覧会。
こじんまりとした展示室ですが、
内容の濃さを感じました。
特に印象に残ったのは、自転車自体の芸術性。
展示室には絵画の他に、
年代物の自転車から、最近のものまで、
車体がいくつか展示してあります。
その中で特に目を惹いたのが、
ケルビムという日本の工房で作られた
「Humming Bird」という自転車です。
見た瞬間は、オブジェか、観賞用の自転車か?!
と思うくらい超個性的なデザイン。
私の中の自転車からは、
ちょっと離れたデザインだったのですが、
実際に乗ることができる自転車です。
また、ホイールの組み方や、
チェーンリングなどのパーツのこだわりと、
形状の美しさにも心惹かれます。
フレームビルダーという
職業があるのも知りました。
人力を動力として、気軽に乗れる自転車。
その歴史や世界は、大きく分けて、
実用面とスポーツ面があり、
多様な広がりを感じました。
この展覧会に行こうと思ったのは、
2021年夏に開催された東京オリンピックの男子ロードレースを
沿道で観戦し、ロードバイクに興味を持ったから。
優雅なデザインと、人力だけで244km、東京のスタート地点から
静岡県の富士スピードウェイまでを走るという
超人的な種目のにわかファンになっていました。
自転車に乗らなくなって、久しいのですが、
展覧会を見て、自転車に乗りたくなってきました。
まずは、最近街なかで見かける
シェアサイクルにでも乗ってみようかな。
八王子市夢美術館で2021.11.23まで開催です。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。