今週は気温が上がり、昼間は春らしくなってきましたね。
そこで選んだのがオディロン・ルドン「心に浮かぶ蝶」(1910−1912)。
蝶は私の中で春のイメージなのです。
背景の赤が強いので、同化しつつある蝶もいますが、
一匹として同じ蝶はなく、模様が丁寧に描きこまれています。
写真の縦向きが正しいのですが、私は蝶が群れている方を上にして、
横向きに見たほうが好きな絵です。
蝶がより自由に羽ばたいているように見えて気持ち良いから。
●○●今日の問いかけ●○●
その絵はどの向きで見るのが一番好きですか?
お手元に絵葉書があれば試してみて下さい。
手に持って縦横斜めにクルクル回して見ると印象が変わって見えますよ。
美術館の展示室ではあり得ないことですので絵葉書などの印刷物ならではの楽しみ方です。
オディロン・ルドン(1840−1916)フランス・ボルドー生まれ
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美術館に行けば必ず立ち寄るミュージアムショップ。
そこで気に入った絵葉書を買うことが多々あります。
購入する基準は印象に残ったもの、好きなものはもちろんのこと、
絵葉書のサイズになっても展示室で見た時と同じように見えることです。
手許にある絵葉書になった作品たちを、その日の気分で選んで鑑賞していきます。
牧野真理子 (まきの・まりこ)
趣味からライフワークへとなった美術館巡り。30年間でのべ1,800展の展覧会を見に行き、現在も進行中。好きな美術館は上原美術館(静岡県下田市)です。